エアコンの室外機の前に植木植えてもいい?設置の時注意する距離・場所・タイミングは?2016-6-13

エアコンの室外機の真ん前に生えてきた実生のシマトネリコ。凄い生命力。
エアコンの室外機の真ん前に生えてきた実生のシマトネリコ。凄い生命力。
皆様こんにちは!名古屋市守山区で外構と庭の専門店をしている、イギリス帰りのガーデン&エクステリアデザイナー『ガーデンドクター柴ちゃん』がお送りする柴ちゃんブログ。
弊社でも社員教育の一環として行ったのですが、聞いてみると
「頭で剪定のことを知っているだけと、やってみるのとでは大違い。」
「剪定作業自体のことも勉強になったけど、その後の掃除がいかに大切かがわかった。」
など、色々な意見が出てきました。
今後も【剪定の仕方・コツ】シリーズとして続けていくので皆様お楽しみに!
さて、今日のブログですがエアコンの室外機についてです。
また、マニアックな題材だなあと思われたあなた!この子も意外とお客さまからの質問が多いんです。
あと、室外機と「外構で作る壁などの構造物・植木などとの関係」についても知っておく事がたくさんあります。

エアコンの室外機の前に植木を植えてもいい?

まずは植木の話。

エアコンの室外機の前に植木を植えていいかどうかですが、基本的にはNGだと思います。

 

というか、今まではそう思っていました。

 

何故かと言うと、エアコンの室外機は夏になると室内の熱い空気を集めて外に出しますので、かなりの熱風が吹き出ます。もしその室外機の前に植木があるとすると、熱い空気によって植木が熱せられて乾きます。

 

これは植木にとっては大問題。人間も熱い熱風の前にいたら絶対疲労しますよね。

ましてや、植えたての植木は根っこを切られた状態で運ばれてくるので、根っこを伸ばすのに時間がかかります。

そんな状態だと植木が水を吸える量も限られる。更に熱風が来て乾くとなると良い訳がありません。

 

こういった理由から基本的にはNGな訳です。

 

しかし、今回調べてみて「本当にそうなのか?」と言う疑問が沸いてきました。

弊社の事務所にある室外機の前を確認してみたところ・・・

エアコンの室外機から60cmのところで大きくなったカシワバアジサイ。奥のハランも元気だ。
エアコンの室外機から60cmのところで大きくなったカシワバアジサイ。奥のハランも元気だ。

あれ?元気だ・・・

 

室外機からの距離を測ってみると60cmあります。

これじゃあ室外機の前はNGとはいえないのでは?と思われた方!

実はこれには理由があって、こちらの植栽は小さな苗の状態から植えて環境に慣れさせたのです。

それが今では1m以上の大株に成長しました。エアコンがつくときには相変わらず熱風が出ますが、平気です。

同じように実生で生えてきたシマトネリコ。これなんか葉先だと20cmくらいしか離れていませんが、平気。

むしろ暖かいのが好きなので成長しすぎる気もします・・・

 

また、植える時期も関係しているかも知れません。

エアコンをつけるのは基本的には真夏。真夏の植栽工事は最も適していないので、それ以外の時期に植えます。

そうなるとエアコンがついてない。これも成長できる秘訣なのかもしれませんね。

 

こうなると、エアコンの室外機の前に植栽と言うのは全くのNGというわけでは無い気もします。

でも、私は枯れるリスクが他に比べたら格段に高いと思うので設計には盛り込みませんが・・・

室外機を庭に置くときの注意点

室外機から1mほど離れたところで元気に育つイロハモミジ
室外機から1mほど離れたところで元気に育つイロハモミジ

実は室外機については植木を植えることだけではなく、風が出る部分の真ん前にさえぎるようなものを置いてはいけないと言う決まりがあります。

 

これは、出すはずの熱風を室外機がもう一度吸い込んでしまい、ショートサーキットという狭い範囲で空気が循環してしまう状態になり、エアコン効率が非常に効率が悪くなったり、エアコンが機能しなくなる状態を起すからです。

 

これまでは室外機の風が出る部分から、大体1mくらい離して構造物(例えば壁など)を作らなければいけないと思っていました。

しかし、これも改めて調べてみると1mも要らないんじゃない?という感じも・・・

各リンク先に前をどれくらいあけたらいいかが図解入りで載っていますが

 

・Panasonic

・シャープ

・富士通

 

各社とも吹き出し口から20cmとなっていました。

 

しかし、できるだけ広く取ってくださいとも書いてあるので、やっぱり1mくらいはあけると良いのでしょうね。

ダイキンさんには1mくらい離したところに植木を植えて影を作ると良いと書いてあった

またこちらのダイキンさんのページには

 

室外機の日よけを作ると良いと書いてありました。

 

更にそこには、「1mくらい離したところに植木を植えたり、すだれをかけるなどして日陰を作ってあげましょう」という記述まであるではないですか!

 

という事は1m離せば植木はちゃんと育つと言うことなのでしょうか?

これは室外機から出る風がどれくらいなのかが分からないと何ともいえませんが、メーカーさんが言うんだからいけるのかもしれませんね。

実際、ガーデンドクター柴ちゃんの事務所では育っているので、1mくらい離しておけば問題ないのかもしれませんね(但し、植栽は自己責任でお願いします)。

 

 

室外機を置くタイミングはいつが良い?

この質問はお客様から結構聞かれる事が多いです。

 

結論から言うとどちらでも大差ない気がします。

 

問題となるのは室外機の下の仕上げですが、建物の脇で仕上げに防草シートと砂利を敷く所であれば

砂利と防草シートを敷いた後に室外機をつけてもらうほうが、室外機の足の部分の下も敷いておけるので

よりいいと思いますが、面積的に小さいので後から下に防草シートと砂利を敷いてもそれほど問題は無いと思います。

 

室外機は新築の場合、家の引渡しまでにされている事が殆どですが、お客様が家の引渡後に電気屋さんに頼んでつけられるケースもあり様々。

リフォームのときは殆どが既についていますので砂利が後の工事となります。

 

電気屋さんによっては『外を仕上げてからのほうがいい』という事をおしゃる事が多いのかな?と言う気がしますが、

それは電気屋さんが楽(仕上げてあるところに設置するほうが室外機の水平を出したりする事が簡単)だからだと思います(違うかな・・・そう思うけど)。

室外機の足元にブロックで土台を作ってある。最近はこのような施工は余り見ない。足だけが土の上においてある事が殆どだと思います。
室外機の足元にブロックで土台を作ってある。最近はこのような施工は余り見ない。足だけが土の上においてある事が殆どだと思います。

こちらは弊社の室外機の足元ですが、しっかりとブロックで土台を作ってありました。

しかし、今は中々このような仕上げに出会うことは無い気がします。殆どが足の部分を土に置くだけの設置ではないでしょうか?

 

このような時は先に室外機を仕上げてもらっておいたほうがいいのかな?まあ、どちらでもいい気がしますね。

場所さえ空けておけば後でもいい気がします。確かに、わかり難いところですね。

それぞれの現場判断と言ったところでしょうか?

 

 

外構とお庭は本当にたくさん考える事がありますね。

ガーデンドクター柴ちゃんもまだまだ修行せねば。

頑張ります!!!

施工例はこちら
施工例はこちら